甲板にて、ある日。
夕飯の下ごしらえが終わったので、外に出て一服。
ニコチンの染み渡る幸せをかみ締めながら、おれは辺りを見渡した。
静かだと思ったら、珍しいことに、甲板にいたのは狙撃手一人だけなのだった。
おれはその背をちょっと見つめてから、声をかける。
「よう」
「おーう」
気のない返事だ。手元のものに集中しているらしい。
「あいつらはー?」
「ナミが、部屋の片付け手伝えってよー」
タバコを片手に甲板に下りて、ハンマーを振るうウソップの手元を覗く。
四角く組み合わされた木片と、まだ組み合わされていない木片や釘が転がっていた。
「お前は?」
「お片付け用の棚製作中ー」
「へェ、器用なもんだ。…ま、ナミさんのために最高にセクシーでキュートなの頼むぜ」
「任しとけ!おれを誰だと思ってるんだ?!」
「おれの愛しい長っ鼻」
「そーそー、おれはお前のー…ってオイ!!」
初めて振り返って入れてくる裏手ツッコミを捕まえて、その手の甲に口付け。
「…ん?違うのか?」
見上げる視線で聞いてやる。
もちろん声は、低めにだ。
「お前な…、…まァ、誰もいねェからいいんだけどよ」
そういう恥ずかしい台詞は『れでー』に吐いてやれ、と呆れた口調の顔は真っ赤で。
「ふむ、素直で大変宜しい」
空いている手で頭を撫でたら、ウソップは子ども扱いするなと怒鳴りだした。
しかしそんな怒りなんてかわいいもんだから、そのまま引き寄せ口付ける。
「〜〜〜…!」
多分言いたいことは山ほどあったのだろうが、掠めるようなキスに全て攫われた。
「…エロコック」
「そういうこと言う奴には、夕飯キノコフルコースだ」
「ごめんなさいっ、おれがわるかったですっ」
「素直で大変宜しい」
ご褒美にもう一度キスしてやろうかと言ったら、要らねェよと視線を逸らされた。
ヤツ的にはそれはお願いしますの意思表示なので、その顎に手を伸ばす。
先ほどよりも、少し長いキス。
ゆっくり離れて、目が合い、どちらともなく苦笑した。
そして、ウソップが何か言おうと口を開いた瞬間。
「おーいウソップ!棚出来たかー!?」
「っ!!??」
「んー?おー、サンジもいたのかー」
「いよう船長」
「ナミの部屋片付けてるんだ。お前も手伝え!」
「これはナミさんのお部屋に堂々と入れるチャンス!?うほーう!待っててナミすわぁん!」
顔を真っ赤にしたまま固まっているウソップを置いて、おれの心はハリケーン。
勢い良く立ち上がり駆け出す後ろで、ルフィとウソップの会話が聞こえる。
「?ウソップどうかしたのか?」
「なっ、何でもねェ!!」
「顔赤いぞ?っていうか、何か泣いてねェか?」
「ちがっ、そうじゃなくて!…そ、そう、先ほどハンマーで指叩いちゃってよー!痛くて痛くていたくて…」
愛想笑いと慌ててハンマーを振り下ろすガン、というひときわ大きな音の後に、
「痛ッ…てぇえええええええ!!!!!!」
半分はおれのせいだと自覚はしているので。
…まァ、あとで舐めてやろうかなーとは、思う。
 
急にさぬそらぶらぶが急に書きたくなったので短文。
なかなからぶらぶって想像しにくいな…
単なる友人同士でもらぶらぶでも何でもいいやこの二人なら!という精神。
余裕伊達男×ツンデレ、でいいのか?
 
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