11月11日。
ゾロの誕生日。
ゾロは、久しぶりの寝坊の末、太陽が真上に昇るころに目を覚ました。
当然、クルーたちはそれぞれの場所でそれぞれ勝手に時間を過ごしているような時刻である。
しかしゾロが通りがかれば、おはよう、よく眠れた?そして誕生日おめでとう、と。
つまり、この壮大な寝坊は、皆からの誕生日プレゼントの一つであったらしい。
とはいえ、ゾロは基本的にそう言った自分の記念日など特にどうも思わない性格であった。
寝てばかりの自分を寛容に許す仲間たちの笑顔が少々胡散臭く見え、取り合えず、彼らと少しだけ距離を置こうとした。
つまり、昼寝である。
「お前、本当良く寝るよなァ」
ゾロが昼寝に選んだ日陰は、ちょうど甲板で工場を開いていたウソップの真横だった。
すぐ隣で大口開けて鼾をかかれては、独り言の多いウソップでも、気が散らされてしまう。
しかたなくハンマーやネジ回しを放り出し、ゾロのうとうととまどろむ顔を覗き込んだ。
「なァゾロー」
「…」
「寝んなよー、お前、今日目いっぱい寝坊しただろ」
「…」
「暇ー。喋ろうぜー、なーゾロー」
「…」
「ゾロゾロー、ゾロマーリモー」
ウソップは何やかやと話しかけてくる。
確かに良く寝坊をした頭でそうも話しかけられると、さすがに目も覚めるというものであった。
「…クソ」
「おー!起きた!」
嬉しそうにウソップは微笑んで、そうだ、と工場のほうを振り向いた。
「ゾロ、お前さ、好きな色ってある?」
「は?」
「好きな色。教えてくれよ」
がしがしと頭をかいて、大きなあくびをしてから、ゾロはふむ、と考え込む。
理由が分からない以上答える義理もないが、答えないという意地悪をする理由もない。
とりあえず答えておくか、と、ゾロは口を開く。
↓please select color! |
【赤、と答える】 |
【青、と答える】 |
【橙、と答える】 |
【桃、と答える】 |
【黄、と答える】 |
「おおお、マジで!?」
「…何でそんなに驚くんだよ」
ウソップは上に下にと視線をうろつかせて、非常に落ち着かない様子だった。
「えっと、じゃ、これ」
「ん?」
「持ってろって、さ」
渡されたのは赤いリボン。何の変哲もない、しかし妙に古びてボロボロのリボン。端のほうに何か縫い付けられているようだが、ゾロにとってはどうでも良かった。
「じゃあ、おれ、パーティの準備手伝ってくるから!じゃあな!!」
おろおろと周りを伺いながら、散らかったガラクタ類を袋に詰めてそれを担ぎ、ウソップは逃げるように去った。
「…何だったんだ?」
しかし、考えても分かるはずがない。
仕方ないので赤いリボンは握り締めたままに、ゾロはもう一度昼寝を開始することにした。
夢を見たような気がする。
誰か、優しい人に抱きしめられる夢だった。
あの最強の黒刀に袈裟斬りにされ、血の海に沈みそうになる自分を引き上げて、抱きしめてくれた。
好きだ、と言われた。
おれも好きだ、と夢の中の幼いゾロは答えた。
―ねえ、誰か。
―何だ。
―負けて、ごめん。
―おう。
―でも、おれがいつか最強になるとき。また抱きしめてくれる?
―いや。
―何で?
―お前が最強でも最強じゃなくても。おれはお前を抱きしめるから。
―…
―お前が最強になったときは、だからおれは…
そして目を開けたとき、現実に自分が抱きしめられていて驚く。
というより、巻きつかれている、というか。
「…ルフィ」
どうりで、嫌な夢を見たと思う。
いや、最初の方はいい夢だった。誰か温かい人に抱きしめられ、好きだと言われる夢。
サンジ辺りにその夢を話せば馬鹿にされるだろうし、チョッパー辺りに話せば真面目に夢分析してくれそうな、そんな夢。
だが、途中からその人に首を絞められたり、急に大蛇に変身して巻きつかれたり、頭から食べられそうになったのは、多分その辺りからルフィが巻きつき始めたからなんだろう。
「ルフィ、離れろ」
「ぐー」
「苦しい、ルフィ」
「ぐー」
「…振りは止せ」
「あ、バレた」
にしし、と笑ってルフィが目を開けた。
「おはよーさん、ゾロ!」
「ああ」
しかし、ルフィはその巻きついた手足を解こうとしない。
「何だって、今日はこんなに絡まってるんだ」
「んー、なんか、お前に巻きつきたかった!」
単純明快、しかし意味のないルフィの声にゾロは小さくため息をつく。ルフィはにこにこと微笑んだままだった。
(ああ、そうか)
ふと、ルフィの頭に目をやってゾロは、先ほど好きな色として挙げた色のことを思い出す。
「お前のリボンか」
「おう」
ゾロの手から、赤いリボンが奪い取られる。
手早く麦藁帽子にそれを巻きなおして、ルフィはそれをかぶった。同時に、手足が離れる。
「良く分かったなー、これがおれのリボンだって」
大事なものなんだ、と何度もルフィから聞いているから。それがルフィの、一番優しくて暖かい部分だと知っているから。
そのリボンを手に巻いたまま寝てしまったから、ルフィの優しくて暖かい部分に包まれる夢を見たのだろうか、と思う。
「…ルフィ」
「うお、どうしたゾロー?」
帽子を直しているルフィの背中から、その背を抱きしめる。
自分よりも小さく、しかししっかりと筋肉のついた体を抱きしめながら、ゾロは呟く。
「おれは、いつか最強になるから」
「知ってるよ」
分かった、でもなく。がんばれ、でもなく。
知ってる、と。
それは、最高のプレゼントだ、とゾロは思った。
「青」
「へェ、お前、青好きなの?」
ちょっと驚いたようにウソップが振り返る。
「…何か、悪いことでも言ったか」
「ううん、ちょっと予想外だっただけさ。どっちかってーと、嬉しい方に予想外」
ウソップはゾロの方を振り返り、満面の笑みを浮かべた。
「だったらプレゼント、喜んでもらえると思うなァ」
「プレゼント?」
そういえば誕生日だった、とゾロは思い出す。厄介な。
「うん。キッチンに、青いリボンかけて置いといた。取りに行け!」
「ハァ?」
何故自分の誕生日プレゼントを、自分で取りに行かなければならないというのだろうか。
「ほら、とっとと行けよ!プレゼントが腐っちまう」
背中を蹴りだされて、しぶしぶゾロは立ち上がる。
「ったく、何だってんだよ…」
しかも、確かキッチンは今立ち入り禁止だと言われていたはずだ。サンジが、今宵の宴のために料理やケーキを用意するというので。
そんな所にうかうか飛び込んでは、アンチマナーキックコースの餌食になるのが関の山だろう。
そんな風になってまで、青いリボンがかけられているというそのプレゼントを取りに行く元気はない。
しかしその言葉を聴いてしまった以上、行かずに別の場所に行って寝るなんてのも、どうにも癪に障る。
しかたないのでゾロは頭をぼりぼりとかきながら、ひょい、とキッチンを覗いた。
片付いたテーブル、そしてその奥のキッチン。コンロの前に立つ金髪の頭。
その細いシルエットの前部分を覆う布の存在を認めた瞬間、ゾロは軽いめまいを覚えた。
堪らなくなって、正面に回りこんで荒々しく扉を開ける。
「…来たな」
「…ああ」
サンジは肩越しに振り返って、小さく微笑んだ。
ゾロはその肩を掴む。けして強い力ではなかったが、サンジはそれを振り払わない。
「来ねェかと思ったよ」
「何で」
「リボンには、赤やオレンジもあったから」
「ああ…」
その言葉の意図する意味に気づいて、ゾロは小さく頷いた。
「…リボンは、提示されなかった」
「は?じゃあアイツ何て聞いたの」
「『好きな色は?』」
「…お前の答えは」
ゾロはそれには答えずに、1cm下にある顎をほんの少し持ち上げた。
サンジが目を閉じる。唇にキスをする。
「ああクソ…」
唇が離れた瞬間サンジが毒づくが、その意味はその真っ赤な顔色から分かり安すぎるほど分かったので、ゾロは苦笑するだけに留めておいた。
そのまま、強く抱きしめあう。
言葉すら要らない。
サンジの腰に巻きつくそのギャルソンエプロンの色を、ゾロは、見たから。
その色の意味を、先ほど聞いたばかりだったから。
「良く、おれの欲しいものが分かったな」
「おれのやりてェものと一緒だったからな」
「何でアイツを挟んだんだ」
「…でも、不安だったから」
腕の中で、小さくサンジが震える。
見下ろすと旋毛しか見えなかった。俯いて、震えていた。
「もし、おれが勘違いしてて、もし、テメェが別の色を選んだら―」
「馬鹿だな」
「っ…」
「てめェは女にはラブコックでも、本命にはその力を発揮できねェのか」
「…うっせェな、ラブコック言うな、このアホマリモ」
「おい」
「何だよ」
腕の中の細い体を強く抱きしめ、ゾロはその耳元に囁いた。
「プレゼントを、開けてもいいか」
「ああ…」
くす、とサンジが微笑む。
「お前が、それを欲しいと願うならば」
ゾロの太い指がサンジの腰を回り、青いリボンを解いた。。
ぱさり、と青い布が音を立てて床に落ちるのと同時に、二人はもう一度キスをして、もつれ合うようにソファに倒れこんだ。
「ゾロ」
合わせた唇の端から、サンジがゾロを呼ぶ。
「誕生日、おめでとう」
もう、サンジは震えていない。
青いリボンが解かれた分、プレゼントには、強く強くゾロの腕が巻きついているから。
「あーあーあー!聞きたくないー!」
それより少し前、女部屋では少々アクシデントが起きていた。
例の作戦を決行する、というその直前であるというのに、だ。
パニックを起こしたようなナミは頭を抱え、黒電伝虫のスイッチを切ろうとしている。
困ったようにロビンは、テーブルの上に華を咲かせてその手を押さえる。
「嫌よ、離してロビン!」
「困ったわね…」
「聞きたくない!やっぱりやめましょ!」
「そんなことを言っても、もう始まってしまったわ」
ほら、とロビンは口をつぐむ。
静かになった室内に、ザザ、と時折雑音を交えながら、黒電伝虫が離れた場所の声を伝え出す。
『…まー。喋ろうぜー、なー、…』
それは、もうその作戦が始まってしまったという証。
「…わかってるわよ!聞こえてるもの」
やっとナミは電伝虫のスイッチを切るのを諦めたように体の力を抜く。ロビンは、華を消した。
ナミの気持ちは、痛いほど分かる。
言いだしっぺは彼女だったとは言え、やはり。こうしてその真実が明らかになってしまえば、選ばれたのが誰だったとしても、もう元のように皆で笑うことは出来ないだろうとロビンは思った。
(選ばれたのが、誰だとしても)
心の中で呟いて、ロビンはナミをそっと伺う。
不機嫌そうに肘を突いて顎を乗せ、そっぽを向いてふて腐れている顔は年よりも子供っぽくてかわいらしい。
その表情は、きっと同じ女である自分以外には、怒っているのにしか見えないのだろうな、とロビンは思った。
「…ねぇ、ロビン」
「何?」
「もしサンジくんとかルフィが選ばれたら、私どうすればいいんだろう」
「…そうね、性癖で人を判断するのは良くないと思うわ」
何それ、とナミが笑った。
「そしたら私、夜のパーティで『誕生日おめでとう、このホモ!』ってワインかけてやろう」
「それは…」
ルフィとサンジと両手を繋いだ真顔のゾロが、頭から赤ワインをぶっ掛けられる状況を想像して、ロビンは爆笑した。
ナミも笑っている。いつもと違う項でくくった髪と、それを結ぶリボンが揺れる。
ナミのことを勘違いしていた、とロビンは思った。ナミだけでなく、他の、この賭けに参加している皆のことを。
彼らはきっと、誰が選ばれても変わらないだろう。
それどころか、きっと笑って、選ばれた人間を祝福する。
それは仲間だからだろうか。と、ロビンは思った。
『…好きな色。教えてくれよ』
そして黒電伝虫が、その時を告げる。
それより一瞬早く、隠れて咲かされた華がその色の名を捕らえたことは、ロビンしか知らない。
キィ、と扉がきしむ音に、ナミは振り返らない。
「…」
「何よ」
でも、こちらに手を伸ばして、しかしためらってそこで手を止めたのが気配で分かったから、口を開く。
「アンタ、私に謝りなさいよ」
「…何でだ」
「アンタはね、私とロビンの楽しみを一つ奪ったの」
「楽しみ?何だそりゃ」
「アンタが赤ワインまみれになる計画」
ハァ?という呆れた声。
「何でおれが赤ワインまみれになるんだよ」
「なんないから、謝りなさいって言ってんの」
「…何が何だかわからねェ」
「謝るまで、プレゼントはあげないから」
ハァ、と先ほどと同じ音を、違う響きで。
「…悪かった、赤ワインまみれにならねェで」
「うん」
素直なその台詞に、やっとナミは振り返る。
夕焼けの真っ赤な逆光に、緑色のシルエットは酷く不釣合いで。
そのコントラストを見ないように、ナミはそっと目をつぶったから。
ゾロはその髪を結ぶリボンをといて、その唇にそっと口付けた。
「ピンク」
と思わず口に出してしまったのは、マストの影にさっと隠れた毛皮が見えたせい。
「あー…」
ウソップが、呆れたように声をもらす。
「ん、…別に、おれは気にしねェよ?天下の海賊狩りサマが、ピンク色大好き〜なんて言ったって」
「五月蝿ェ黙れ」
「ひっひっひ、忘れてやらねェ!」
そう叫んで、キッチンの方へと素早く走り去ってしまった。
甲板には、半身を起こした微妙な体勢のゾロと、マストに隠れていた小さな船医だけが残される。
変わらず、普通とは逆の半身を乗り出しているその姿を認めてから、ゾロはため息をついた。
「…ハァ」
仕方ない、昼寝の続きをしよう、とゾロは目を閉じる。
しかし。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…チッ」
根気比べは、ゾロに白旗が挙がった。
「…んなとこにいねェで、こっち来い」
「あ、お、おう」
ひょこ、と飛び出して、チョッパーがゾロに歩み寄ってきた。恐る恐る、といった感じで。
そして、ウソップが置きっぱなしにしていった木箱にちょこんと腰掛けて、ゾロの方を覗き込む。
「…何でピンク?」
「お前の帽子が見えたから」
「……そうか」
「ああ」
これは、少しそっけなすぎたか、とゾロは感じたので、付け加えた。
「ピンクは、優しい感じがするからな。コックの持ってるエプロンとか」
「サンジ」
チョッパーの呟いた声が放心するような音だったので、ゾロは少々怪訝な顔をした。
「どうした、元気ねェな」
「…ゾロ、おれのこと、好き?」
「はァ?」
「おれはな、ゾロ、お前のこと大好きなんだ」
「…」
なんという大胆告白。
トナカイに告白されるのは初めてだ、と真顔で答えてしまいそうになって、慌ててゾロは顔を引き締める。
「好きな色ピンクって言ってくれて嬉しかったし、今だって、こっち来いって言われて嬉しかった」
「…」
「だけど、なァ、ゾロってサンジが好きなのか?だったら、おれ」
「チョッパー」
ゾロはその言葉を遮った。起き上がって、手招きをする。
チョッパーは導かれるままにゾロのひざに上って、ちょこんと座った。
ゾロを見上げる目は大きく、しかし少し戸惑った色をしている。
「お前は、おれがコックを好きだと嫌か?」
「う、ううん!好きな方が嬉しいぞ!」
「じゃあ、お前よりサンジが好きだって言ったら?」
「…それは、ちょっと悲しい」
「じゃあ、お前とコック、同じくらい好きだって言ったら?」
「…どうだろ、よくわかんねェ」
「コックも好きだが、お前の方がもっと好き」
「あ、それすげェ嬉しい!」
「それがおれの本心なんだが」
小さなトナカイはきょとんとした顔をして、それからやっと合点がいったように大きく頷き、それから、
「えええええー!?」
盛大にパニックになりながらほんと、ほんと?と繰り返すチョッパーに、ゾロは笑顔を返してやる。
「…だったら、ぎゅってして」
「ああ」
チョッパーの望むままにゾロは、その小さな体を抱きしめてやった。
小さながおずおずとゾロの逞しい背中に回り、巻きつけないまでも、ぎゅうと抱きしめ返す。
「…夢みたいだ、ゾロ」
「夢じゃねェ。何なら寝てみるか」
「普通は、ほっぺたつねるんじゃねェのか?」
「そりゃ痛ェだろ」
夢の中で寝たら現実に戻るから、寝て現実にもどらなければそれは現実なんだ、と良く分からない持論を展開するゾロを、へーすげーなどと言いながらチョッパーは見上げる。
「おれな、今日ゾロの抱き枕になるんだ」
「それがプレゼントか?」
「おう」
「それは…幸せなプレゼントだな」
にこ、とチョッパーは満面の笑顔を浮かべた。
「ゾロ」
「ん?」
「これって、両想いか?」
「ああ…そうだな」
「男同士って、変だな」
「そうか?」
「でも、おれ、幸せだ」
エッエッエ、と笑う小さなトナカイに、ゾロは自分も同じ思いだということを、もう一度抱きしめてやって示した。
月の上るころ、宴の準備が出来たぞと誰かの叫ぶ声が聞こえるまで、そうして二人抱き合って眠る。
幸せというものは暖かいのだと、それをこの日、二人は同時に知った。
「黄色」
「黄色ォ?」
とても驚いた声で鸚鵡返しにし、ウソップが勢い良く振り返った。
「…何か、悪いことでも言ったか?」
「いや、別に…。ただ、予想外れたなァって思っただけ」
またウソップは元の方向に向き直り、ごそごそと鞄やガラクタを漁っているようだった。
黄色あったかな、とか言っているところを見ると、ゾロの答えた色の何かをその中から取り出そうとしているのだろうと思われる。
しかし、結局黄色いものは見つからなかったのか、少ししょんぼりした顔でまたゾロを振り向いて、何かを差し出した。
「わり、黄色ねェや。代わりにこれで我慢して」
ウソップの手に握られていたのは、30cmくらいの黄緑色のリボンだった。
ゾロは、差し出されたそれを胡乱気に見つめる。
「…それは?」
「おれからのプレゼント!」
「ぷれぜんと」
と平仮名で呟いて、やっとゾロはその意味に気づいた。つまり、自分の誕生日。
「…それが?」
「何だよ、これはすげェリボンなんだぜ!」
とたん、腕を組み偉そうに背筋を伸ばして、ウソップが笑顔になる。
「聞いて驚け!なんとこのリボンは、結んだものが何でも自分のものになるという、素ン晴らしいリボンなのだ!」
「ほォ」
「使い方は簡単。ただ欲しいものに結びつけるだけ」
きゅ、とリボンを結ぶまねをする。
さあ結んでみたまえーと差し出されたそれを、まだゾロは受け取らない。
「何でもいいのか」
「おう、何でもいいぜ!…ああ、ただし」
少々怯えたように周りを見渡してから、ウソップは小声で続ける。
「…ナミとロビンの私物には手を出すな。さすがにフォローしきれねェ」
「…何でもじゃねェじゃねェか」
「それ以外の何でも、だ!」
さァさ、何に結ぶんだ、とウソップは楽しげにゾロを覗き込んだ。
ゾロはやっとそのリボンを受け取り、ふむ、と考え込む。
ゾロ自身の髪の色に似た、鮮やかな緑のリボン。
ウソップは、このリボンを結んだものは、何でも自分のものになるのだと言った。
自分の髪色のこのリボンをどこに結ぼうかと―手に入れたいもののことを考えたとき、ゾロの頭の中にあったものは一つ。
「…へ?」
ウソップが間抜けな声を上げる。
それは、工場の木箱から下ろしていた右足を、ゾロがむんずと掴んだからであり、その足首に何かつるっとした感触があったからであり、ぽかんとしている間に離されたその足首に、黄緑色のリボンが結ばれていたからでもあり。
「………お前、不器用だな…」
「うるせェ」
リボン結びにしようとしたのだろうが、左右の膨らみは縦になってしまった上に大きさが違い、真ん中は硬結びになってしまっている。
ウソップはそれを、苦笑して眺めてから、やっと口を開いた。
「まァ…さっき、何でもあげるってゆっちゃったし?」
「ああ」
「お前が、ホントーにそれがほしいんなら?」
「ああ」
「…あげちゃってもいいかなーとか思うんだが」
「ああ」
ゾロはにやりと笑って、そのプレゼントを自分に抱き寄せた。
リボンは解かない。
そのリボンがそれに結ばれている間、彼が、自分の物になるのなら。
|
い、いろいろ書きたかっただけなんだ…
決して浮気性にする気はなかったんだ…
だから一回選択すると選択肢は消えます(ぉ
色をお選びください。
狙撃手目立っててごめんなさい。
ゾロたんでも狙撃手目立ってごめんなさい。
紫、水色、黒に対応する予定はありません。
むしろ、紫と水色がくっついてる設定でお願いします。
ルゾロル。どっちでもいいや!
非常に書きにくくて参った参った。
ほんんちょっと弱気になるゾロが書きたかったんだけど表現できず。無念。
こう、仲間以上のところで信頼し合ってるっていいよね!ってことで!
ゾロに化けたボンちゃんが現れた。
ルフィの目の前に、ゾロに化けたボンちゃんが現れた。
紅一点のナミではなく。
サンジに使ったウソップでもなく。
ボンちゃんがゾロの顔を使った。
そしてルフィが一瞬でも喜んだ。
そんな二人が好き。
王道ゾロサン。
エ、エプロンのさ!こう…さ!
後ろで結んだ紐をほどくっていうのがやりたかっただけなんだけどさ!
それ、あんまりメインじゃなくなっちゃったね!!
ちょいと不安気味なサンジさんが書きたかった。
たくさんの選択肢の中から自分が選ばれない恐怖。
選ばれなかった赤やオレンジも、きっと、笑い合う二人を見れば安心してくれるはずさ!
ゾロナミ!ゾロナミ!!
応援者にロビン。
赤ワインを頭からぶっかけられるゾロが非常に見たかったので、そのうち後日談、というか、宴話も書きたいです。
アーロンパークでナミを挑発して飛び込んだゾロにやられた。
クソウ!こいつ…信頼してやがる!!
多分ケンカップル。
でもきっと、バカップル。
ゾロチョ。
長い?いえすいません。今回の本命です(ぉ
アニメ見てたらデービーバック編でやられた。
あとスリラーバーグ編OPの冒頭の、ゾロの頭わしわしするちょぱにやられた。
なんだよあのかわいすぎるコンビ…
もう、ゾロチョ応援するしかない。
まさかのゾロウソ。
書く気なかったのに、なぜか書いてしまった…
本命がいる(からこそこの役を引き受けたしリボンも用意しなかった)ウソが自分の心を諦める話(何だそりゃ)。
…という後付け設定。
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