※注意※
・ミヤギが軽く殺人を犯しています
・トットリが軽く過去に犯罪者です
・二人とも微妙に壊れています
死者の手は冷たかった。
血の流れが止まっているのだから当たり前のことではあるが、あの乾いたゴムのような、または放置されたぬいぐるみのような、あのぞわりとする冷たさだけに、どうしても慣れることが出来ない。
その手は冷たかった
人を、殺したことが無い。
それはこの殺し屋軍団の中にあって、落伍者の烙印を押されているようなものだ。
刃物を使った戦闘訓練も体術を使った戦闘訓練も、一応いつも上位には入っている。
しかし任務となればいつだって、手が震えた。
目の前で人が死ぬことは怖くない。それが、ターゲットであっても仲間であってもだ。
そんなものは任務中でも演習中でも、その他、日々を生きていくだけでも、いくらでも見られるのだから。
だけどどうしても、刃物で刺すにしても首を絞めるにしても、生体から死体へと変わるその温度に、どうしてもなれることが出来ない。
自分は足手まといなのだろうと思う。
演習で良く組むチームメイトたちは同期の中でも群を抜く高い能力を持っており、正直、自分は浮いているのではないかと思っている。
まず一人目は、いつもリーダーを務める青年。
彼は総帥の息子だそうで、それだけでも特別であり、文字通り”血のなせる技”を持っている。眼魔砲というその技だけでなく刃物も体術も得意で、戦闘訓練で彼が負けたところを見たことが無い。人望も厚く、生まれながらにしてリーダーとしての才能を持っているといえよう。
二人目は人付き合いの悪い根暗な青年。
チームプレーに向いていない性格ではあるが、感情が高ぶると発火するという特異な体質を持っていた。炎だけでなく刀剣を使った戦闘も得意とし、近から遠距離までその戦闘スタイルは幅広い。
三人目は、前の二人に比べると、特別な血も体質も持っていない元学生の青年。
しかし彼は体格がずば抜けて大きく体力に優れ、武器は刃物から鈍器までもを使いこなす、生来戦闘センスに恵まれた生き物だった。性格も豪快で物怖じせず、激戦地でも平気で飛び込んでいく豪胆さを持っている。
そして最後、四人目は、自分のベストフレンドと心から思う青年。
彼は忍者の里の出で、姿を見せぬ戦闘はもちろん、姿を見せる戦闘法も、時には戦闘すらなく相手を殺す術も体中に染み込ませている。特別な忍術を使うための道具も持っているのだが、そんな道具に頼らなくても、彼は強いと思う。
「人を、殺したことがある?」
最初の任務の前日に、聞いたことがあった。ベストフレンドは苦笑して頷いた。
「何歳で?」
「零才で」
死ぬと分かっていて僕を生み出してくれた人がいるんだっちゃ、と苦笑のままで言っていたのを、覚えている。
「五才までに二十人殺し、それからは数えていないから覚えていない」
と続けて言っていたのも覚えている。
覚えきれないほど殺しても笑顔を作れるものなのだな、と妙に感心した記憶がある。
それなら安心なのだ。
人を殺しても笑顔を作れるのなら。
幸せに生きられるのなら。

だから上着の内ポケットに今日はホルスターを吊るして、ずしりと重い金属の塊を身につけている。
そしてとうとうそれを使う瞬間が来て、右手でしっかりと掴んでホルスターから抜いた。
怯えて後ずさるその眉間に照準を合わせて、指に力を込める。
両手のひらに金属の冷たい感触、
右手を支える左腕に重たい感覚、
人工光を反射して光、
右の人差し指に抵抗、
破裂音、
反動、
血を噴出して倒れる男、
硝煙の匂い、

――ああ。


「やったわいな、ミヤギくん」
ベストフレンドに飛びつかれて、はっとする。
一瞬、意識が飛んだかと思った。
「これで、これからも学校にいれるっちゃよ!」
どうやら、自分の知らない所で既に、落伍の印は押されかけていたらしい。
殺し屋軍団に在籍し続けるためのチケットを、しかし今自分は手に入れた。
「これからも、僕たちずっと一緒にいれるっちゃね」
ベストフレンドが体を離し、代わりに手を差し出してきたので、手にまだ持っていた金属の塊をまたホルスターに戻した。
向こうのほうではまだ頭から血を垂れ流しているターゲットの死体。
「これからも、ずっと一緒だっちゃ!」
一瞬躊躇してから、差し出されていた彼の右手を、握った。
思わず、笑みがこぼれた。
「おめでとう、人殺し」
強く握られ握り返した、生きているはずのその手も、冷たかった。
 

ガンマ団って(元)殺し屋軍団なんですよね…
トットリとかアラシヤマ辺りが殺人しているのは想像が付くけれど、特にミヤギと殺し屋の単語が結びつかない…
生き字引の筆じゃ人殺せなくね?
チェック厳しい施設かなんかで、持ち込んだ安全そうな木の枝かなんかに刀とか書いて斬りつければ殺せるか?
うーん…

 
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