ナミが行方不明になってから、サンジは再殺部隊に入隊した。

―私がステーシーになったら、あんたがちゃんと私を再殺するのよ。
毎日のように繰り返された、それは呪いにも似ていた。
オレンジの髪を揺らし振り返る様もソファにだるそうに座った姿も良く覚えている。
―ちゃんと、これだって買っておいたんだから。
まだ彼女がステーシーの奇行をブラックジョークとして笑えていたころ、ある日差し出されたのは『ライダーマンの右手』。
無駄な出費が嫌いなはずの彼女なのにそれは最新のモデルで、『返り血が飛びにくい!』なんて文字が踊っていたのを覚えている。
―あんな風に(と彼女はステーシー特集のニュースを指差して)、私は無様な姿をさらしたくないの。
そう笑っていた彼女に、そうだねとサンジは笑った。
―俺が、ちゃんと再殺するから。
―頼んだわ。頼んだわよ。頼んだからね。絶対に。

…なのに彼女は、十五の誕生日の前に姿を消した。

だからサンジは、毎日夢を見る。
―じゃあねサンジくん!クククククククッ!!
ニアデスハピネスの笑顔を浮かべる、彼女の夢を。
「…―ジ、サンジ」
「…ぇ、あ…?」
「何ボーっとしてんだよ。着いたぜ」
サンジが声の方に顔を向けると、見慣れた仲間が自分を呆れた目で見ているところだった。
 
 
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